VRである必要性とゲーム性

VRである必要性とゲーム性について、個人的に思っていることをただツラツラと駄文を書いていこうと思う。

VRである必要性

VRをやり始めるのは、コンソールゲーム機に比べてひと手間多い。

ゲーム機では、

  1. コントローラーを持つ
  2. ゲーム機を起動する(スリープを解除する/ゲーム機本体で必要な再設定をする)
  3. ゲームソフトを起動する

VRでは、

  1. コントローラーを持つ
  2. HMDを被る
  3. HMDを起動する(スリープを解除する/ガーディアンなどHMD本体で必要な再設定をする)
  4. ゲームソフトを起動する

HMDを被るという行為がこれからVRを始めるという合図になっていると同時に、
HMDを被らないとできないのがVRゲーム。

だからこそ、VRである必要性はどうしても求められてしまう。

HMDとコントローラによるトラッキングこそがVRの最大の特性であり、立体映像体験はその補助的な位置づけとも言える。

横から声が聞こえて振り向けばそこにキャラが立っている。

コントローラーで触れればそれに反応する。

VRである必要性は、360度自由に見渡せることと、コントローラーにより干渉できる点だと言える。

VRのゲーム性

ラッキングが最大の特性である以上激しいアクションや運動がゲーム性の主体になりがちである。

  • 360度どこからでも迫りくる敵をあちこち振り向きながら武器で攻撃する
  • タイミングに合わせてコントローラーを振る

今はまだフィットネスゲームや音ゲーが流行しているから良いモノの、このようなアクション主体のゲームが氾濫してしまえばVRゲーム市場は先細り確定となりえる。

ゲーム性とは

まずはVR抜きにしてゲーム性とはなにかを考えてみる。

分かりやすくアクションゲームを挙げてみると

  • 敵がいて当たるとダメージを受ける「失敗」
  • 敵に攻撃を当てて倒す「成功」

短期サイクル(数分のプレイの間)にこのような成功/失敗の評価が存在し、プレイヤーは「失敗しないように成功の行動をとる」というのがゲームと言える。

長期サイクル的には、この「短期サイクルを如何にして成功に繋げるかの準備」がゲームの重要な要素だ。

  • 敵の適性を考慮した最適な武具の調達
  • 一時的な失敗をカバーするための補助アイテムの調達

などなど、短期サイクルを繰り返していくことで難易度が上昇し、それに合わせてスタイルが枝分かれしプレイヤーに選択の幅を与えるのが長期サイクルの役目と言える。

なおシナリオについては、世界観の説明や短期長期サイクルの動機付けが主な役割とし、ここではシナリオそのものは「ゲーム性」から除外する。

アクションばかりに頼らないVRゲーム案

脱出ゲーム

「周囲を見渡しアイテムを持ちそれを活用する」

VRの必要性から考えると最もマッチしているゲームだと思う。

ゲームサイクルの観点からは中期サイクルあたりとなり、短期的ゲーム性としては弱い。

ごっこ

では、敵の存在を追加してみる。

「周囲を見渡しアイテムを得て、アイテムを活用して敵から逃げて、脱出を図る」

敵の存在により短期サイクルの緊張感は出てくる。

敵を倒せる必要はなく、足止めアイテムを仕掛けるなどでも十分短期的ゲーム性が生まれるだろう。

これなら椅子に座りながらコントローラーを振り回すこともなく緊張感あるゲームにできる。

しかし、すでに非VRのこの手のゲームがあふれているわけで、アイテム探し要素を念入りに組み上げないことにはVRの必要性は感じないかもしれない。

まとめ

VRの必要性とゲーム性の両立は思った以上に難しそうで、今後バラエティ豊かなVRゲーム市場が確立できるのかというとやはり課題が多そうだ。

もちろん、VRである必要性に拘らずに、フラットスクリーンに表示される扱いのゲームもHMDで巨大スクリーンで見るだけでも見違えるレベルなので、そういうのも含めてもっといろいろ出てきても良いとも思う。

(なお今回挙げた案などは一例にすぎず、実際に開発する場合の課題や売れるかどうかについては考慮していないので、実際どうかは知らん)